私が伝えられることは

　今日で３週間のインターンシップが終了した。私は初日に偉そうな講話をしただけで、研修生とはほとんど関わりがなかった。にもかかわらず、終業間際に研修生が挨拶に来てくれた。
　これからこの職業を目指す人たちに、ゴールが見えてきた人間に何が伝えられるのだろうか。３３年の経験を一言で表すことは難しい。失敗したこと、嬉しかったこと、思い出話や説教臭い話をすることでもないだろう。
　自分たちが若い頃は、先輩のやっていることを見て覚える、やって身につけろなどといわれた。今はマニュアルがあったり、手取り足取り教えてもらえる。経験値を一度に上げることはできない。教えられたからといってできるものでもない。試行錯誤の結果、今の自分のスタイルがある。
　やらなければいけないことは伝える。でもその課題にどのようにアプローチするかはその人次第だ。学ぼうとする姿勢、チャレンジする勇気、それを脇で支えるのが老い先短い者の勤めだと思っている。うまくいった時よりも失敗からの方が学ぶことは多い。先回りをするのではなく、後ろからフォローをすればいい。
　だから頑張れ、若者たち。