浜村渚の計算ノート7さつめ 悪魔とポタージュスープ@青柳碧人 [読書]
浜村渚の計算ノート 7さつめ 悪魔とポタージュスープ (講談社文庫)
- 作者: 青柳 碧人
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/02/15
- メディア: 文庫
読了
職場の図書コーナーにお願いして購入してもらった浜村渚シリーズの続編。
今回は『マイナス×マイナスがなぜプラスになるのか』とか、角の三等分線の描き方、ケプラー予想、自然数のルールがテーマだ。
黒い三角定規はドクター・ピタゴラス派とアドミラル・ガウス派に分裂してしまった。そしてキューティ・オイラーが自らを逮捕させるに至る。そしてアカされるアドミラル・ガウスの真の目的。
武藤がワイルドボア夢農場で出会った仲間との再会や忠臣蔵のような討ち入りまであって、物語を楽しみながら数学の楽しさを学んでいける。
円積問題を使うとマイナスのかけ算が可視化しやすいのがいいですね。
主人公は中学2年生だから、まずは中学生に読んで欲しい作品です。 今日のYWP、5098歩。
引きこもりだと読書が進む。
西川麻子は地球儀を回す。@青柳碧人 [読書]
読了
外出自粛なので読書するしかありません。
「国語、数学、…」シリーズのJSS進学塾、社会科担当講師西川麻子のその後の物語。とはいえ、こちらの方が先に書かれた作品なので、実際はJSS進学塾の方が前日譚になるのかな。
学習塾用テキストを作る出版社に勤める、地理好きの西川麻子。現在お付き合いしているのは警視庁捜査一課に勤める尾谷和寿。彼の関わる殺人事件を、地理の知識を使って解決していく名探偵。実はこの作品はその2作目で、1作目は通販でも購入できない。絶版ではないと思うんだけど。しかたがないから電子書籍かなぁ。
韓国料理のプルコギ、旧ソ連の秘密都市、イタリアの都市、イランの遊牧民の手織り物ギャッベ、ブラジルの果物ジャカの実。いつもながらこの作者の知識は凄いです。
描き方はコロンボ方式。まず最初に殺人事件が起こる。この時は犯人が語り手で2章から尾谷くん登場。捜査をしてから3章で西川麻子登場というパターンか、2章で尾谷と麻子がデートで行った場所で犯人と出くわして3章から捜査開始というパターン。まあなんにせよ、一般人がこれほど捜査に介入するなんていうのは小説ならではです。
短編集なので話はどんどん進んでいってあっという間に読めてしまう。最終話だけどんでん返しがあったけど、読んでるうちにわかったよね。
世界地理の好きな人はぜひどうぞ。 今日のYWP、939歩。
明日はちょっと出掛けます。
国語、数学、理科、漂流@青柳碧人 [読書]
国語、数学、理科、誘拐@青柳碧人 [読書]
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塾に通う小学生が誘拐された。塾に届いたメールには身代金5,000円が要求されていた。可愛い教え子を救うため、5人の塾講師が誘拐犯の出す謎に挑んでいく。
青柳碧人のJSS進学塾シリーズ第1作。さすがに早稲田のクイズ研出身だけあって、いろんなジャンルの問題が続々と出てくる。
まあ、途中で犯人はわかっちゃったけど、その動機は決して悪いことじゃない。みんな困っていて、その解決策が見つからないだけなのだ。
そして登場人物それぞれが持つ勉強に対する考え方の違いも、多様性を考える中で大切なことなんじゃないかと思う。
なんのために勉強するのか、その質問の答えの一つがここにある。 今日のYWP、5339歩。
いろいろあって、人気者は辛いです。
泣くなブタカン!〜池谷美咲の演劇部日誌〜@青柳碧人 [読書]
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シリーズ最終作。
主人公の美咲も3年生に進級、親友のナナコも退院して復学。そして新入部員を獲得するための部活動ショーと新入生歓迎公演に向けた準備が始まった。
無事に新入生を獲得し、新入生公演を終え、文化祭と地区大会に向けて高校生活最後の夏が始まろうとしていたのだが…。
退部する2年生、進路が気になる3年生、やたらと口を出してくる浪人生に振り回される美咲。
果たして最後の公演はどうなるのか。美咲の進路は、そして恋の行方は。ブタカンは常に周りを見て調整をおこない、いかにスムーズに舞台を進行させるか、役者に気持ちよく演じてもらえるか、そして観客に楽しんでもらえるかを考えている。
ナナコから贈られたブタカンというプレゼント。1年間の美咲の成長も高校生ならではですね。大学生になって、劇団を立ち上げて、と夢は膨らみますが、この続きは書かれるのかな? 今日のYWP、5706歩。
やっと今週が終わりました。
恋よりブタカン!〜池谷美咲の演劇部日誌〜@青柳碧人 [読書]
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ブタカンシリーズ2冊目。
今回は地区大会のお話し。文化祭で上演した「白柚子姫と6人の忍者」を地区大会で発表することになった都立駒川台高校演劇部。文化祭で引退だと思っていた3年生と新たな舞台に向けて進んでいくことになったのだが…。
基本的なことをおさらいしておくと、秋に地区大会、都大会が行われ年明けの関東大会を経て夏の全国大会に繋がって行く。だから全国を狙っているのであれば地区大会に3年生が出場することはない。なぜなら3年生が在籍するのは関東大会までだからだ。だから実際の演劇部は2年の秋の大会が終わればもう大会に出場することはない。
ただ、この作品の舞台である都立駒川台高校演劇部は近年大会には参加せずに、校内での新入生歓迎公演と文化祭が主な活動だったので、3年生が参加しているわけだ。
ともあれ、文化祭で上演した作品を大会用に20分短縮しなければならない。台本のカットをするために役を削ることになった。誰を削るのか、物語はここから始まる。
さらには、大会会場でのトラブルが起こり、リハーサルもままならない。そして大会当日、舞台の幕は上がってからもトラブルに見舞われてブタカンは舞台裏を走り回るというバックステージものになるわけです。
なので、舞台上で進行している芝居は断片的な形でしか出てこないので、「白柚子姫と6人の忍者」改め「白柚子姫と5人の忍者」がどういう話なのかは全然わからない。それにしてもよくもまあこれだけミステリー仕立てにできるものですね。ちゃんと伏線は張ってあってちゃんと回収している。まあ、新しいキャラの人間関係が都合良くなっているのは仕方ないか。
ついに3年が引退して2冊目は終わり。3冊目ではどういう展開になるのかなぁ。 今日のYWP、4600歩。
今週も暑くて大変だ。
ブタカン!〜池谷美咲の演劇部日誌〜@青柳碧人 [読書]
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青柳碧人の別シリーズ。
ブタカンとは言わずと知れた舞台監督。高校演劇の物語です。
演劇部あるある満載の小説。しかも役者ではなくスタッフが主役という、さらにミステリー要素も入っていてどんどん読み進んでしまいます。
いろいろと家庭の事情があって、2年の夏前から部活動に参加することになった池谷美咲。親友の北条ナナコに替わって演劇部の舞台監督を任されることになった。一癖も二癖もある演劇部員たち。それを滞りなく舞台に乗せるのがブタカンの仕事なのだが…。
当然のことながら高校演劇です。受験、恋愛、家庭の事情、なんやかやと問題が次々と出てくる。それでも「たった一秒知らない誰かを笑わせるために、百時間でも千時間でも悩み抜く。それがエンターテイメントってもんだろう!」という精神で舞台を作り上げていく。
大工の娘の大道具担当やリケジョの音響・照明担当など役者以上に個性の強いスタッフが頼もしいんだ。バックステージものともちょっと違って、すっかりツボにはまってしまいました。
このシリーズも3冊あるので、一気に読み進めようと思います。 今日のYWP、838歩。
こんなの読んじゃうと、演劇部やりたくなっちゃうよなぁ。
よろこびの歌@宮下奈都 [読書]
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この3月に舞台化されるのを見る予定だった。見てから読むつもりでいたのだけれど、上演が来年の4月に延期になり、図書室で目にとまってしまったのでついつい借りてきてしまった。
物語は新設の私立女子校に通う高校2年生の話。
音大付属校の受験に失敗した、著名バイオリニストの娘は同級生との関わりを断っていた。ところが合唱コンクールの指揮者を引き受けることになったことをきっかけに、心に変化が現れて…。
同級生もそれぞれの事情を持ってこの学校に進学してきた。各章ごとにそのエピソードが綴られる。そして卒業生を送る会で合唱を披露することを担任から提案された。合唱に向けて取り組む中で、それぞれの想いが交錯し成長していく。まさに青春って物語。
うん、こんな時代もあったよね。これが舞台になった時、どんな風に表現されるんだろう。すっごく楽しみです。 今日のYWP、5193歩。
さあ、明日から通常出勤。社会復帰できるか?
希土類少女(レアアース・ガール)@青柳碧人 [読書]
読了
浜村渚の計算ノートシリーズがなかったので、自分で購入した青柳碧人の本。
こちらはガラッと変わってSFものです。体内でレアメタルが生成されるレアメタル生成症候群という病気にかかった少女たち。その寿命は長くても25歳までしかない。
国の施設に入れられ、身体から生成される高純度のレアメタルが国内の産業を支えている。
ジスプロシウムを生成する冴矢と中年の施設職員江波が出会うところから物語が始まる。まあ、言ってみれば恋愛ものなんだけど、物語の始まりからして浜村渚シリーズとは全然違って、同じ作者の作品かと驚いた。
後半はかなりスリリングな展開もあって、一気に読んでしまった。まあ、ハッピーエンドの部類には入るのかなぁという終わり方。ただ、生きることの意味を考えるにはいい題材かもしれない。 今日のYWP、2526歩。
もうのんびり本を読む時間も取れなくなるかなぁ。
横浜F・マリノス 変革のトリコロール秘史@藤井雅彦 [読書]
読了
昨年15年振りにリーグ優勝を果たした、我が横浜マリノス。そのマリノスのチームとしての歴史と、関わった選手たち、そしてボスことアンジェ・ポステコグルー監督のチーム作り、さらには普段表には出てこない統括本部やCFGとの関係などが書かれている。
もともと堅守速攻、セットプレーからの得点というチームスタイルは読売クラブとのライバル関係から生まれたものだとか、岡田監督、モンバエルツ監督の功績なども書かれている。
いかにマリノスのサッカーがフィールド上だけでなく、フロントも含めたチーム一丸となって作られていることが書かれている。
この本が書かれたのがACL開幕直後だったこともあり、今年の展望で終わっているのだけれど、この2,3年の選手補強についてなども書かれている。
今年のリーグ戦は来月末か7月初めから再開されるであろうけど、3ヶ月前に予想されていた状況とはまるで違っている。出も、このチームなら今年もやってくれるのではないかという期待で読み終えることができた。
ああ、早くスタジアムに行きたい! 今日のYWP、4781歩。
2ヶ月ぶりに整体に行きました。やはりすぐにはほぐれませんね。