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『こち亀』社会論@稲田豊史 [読書]


『こち亀』社会論 超一級の文化史料を読み解く

『こち亀』社会論 超一級の文化史料を読み解く

  • 作者: 稲田 豊史
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2020/09/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 読了
 昨年の暮れに借りてきたまま、なかなか読む時間が取れず半年以上懸けてやっと読み終わった。
 『こち亀』とはもちろん週刊少年ジャンプに40年間連載されていた、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のことであり、その内容が昭和、平成の世相を反映したもの、あるいは世相の記録となり得ているのではないかという観点で読み解かれている。
 特に興味深かったのは、技術大国として日本の技術を解説していたり、サブカルチャーの解説だったりしていた部分。自分が覚えているものに、リカちゃん人形やGIジョーの歴史・変遷を解説した回があった。制作年代や造形の違いからの人形そのもの分類や衣装の違いなど、事細かに描かれていた。
 また、インターネットのしくみなどをわかりやすく解説していたり、新製品、新商売のアイデアから実用化までを描くものもあった。
 作品の書かれた年代によって、同じものも描かれ方が変わっていったりしたのが時代の移り変わりを表していたり、価値観・道徳観の変遷だったりする。LGBTや女性蔑視、地方蔑視など30年前なら問題にされなかった(しなかった)ことが今だったら大問題というものもある。主人公である両さんのスタンスが大きく変わることによって、その時代のものの見方がどうだったのかも浮き彫りになってくる。
 連載当初は、ハチャメチャな警察官のギャグ漫画だったものが、40年という歴史の中で様々な視点を小中学生から大人までに与えてくれた作品になっていったんだということだ。
 しかし、ストーリーのないものは波に乗って読むということがないので疲れますね。
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